2009年10月8日木曜日

都立大、夜。

台風が関東に迫ってきていて雨脚が強くなり、
いつもは自転車で15分程度にある都立大のスタジオまで
最寄りの駅から各駅停車で駆けつける。

予定より早く着いたのでカフェエで一服しようと思い店内にはいると、
シンバル、スネアドラム、古いキャンバス地のハードケースを持った黒ブチメガネの青年が会計を済ますところであった。

確信が持てなかったが、友人であろうと声をかける。
『Tさん?』『あ、伊藤サン。』

僕が確信を持てなかったのはしょうがない話、数週間前に別のカフェエで初めてKに紹介されたきりであったから。
お互いにKを通じて話を聞いていたし、高校時代からの同級生Nもなんの縁か知らんが面識があったので、僕らは知人を通り越し友人になった。

僕はサキソフォンを持って本日の練習に気楽な気分で参加する予定だったが、彼のそのモノモノしい立ち姿(だって、すごい機材の量だったんだもん)を観て、またしても自分の覚悟の足りなさにうなだれてしまったよ。

僕とTさんは二人でカフェエの二階の喫煙ブースの席に落ち着き、もう一人の友人Kを待ちながら会話を楽しんだ。

わずか15分くらいの間であったが、二人で音楽について様々なことを話した。
プレイスタイルに関する自己分析、影響を受けた奏者、今後の方向性について。


初めてのセッション、この人と新しいディレクションへ進めるような希望が持てた。久しぶりにコミュニケーションができた感じがした。僕のサクソフォンは言葉少なで不器用なので結局、スタジオにあったピアノをメインにした。

Tさんはドラムとアルトクラリネット、Kはソプラノクラリネットとプリペアード。

ドラムは雄弁にかつ繊細に僕らの心を読み取り大地を歩き、僕は不器用にディスコードを刻み地図を描き、ソプラノクラリネットはいつも通り雲雀のように空高く舞った。

その後、駅前のマックで三人で談笑。またスタジオに入ることを約束した。

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